EDM王国オランダはトップdjが多い!

世界中で有名なDjを頭に思い浮かべてみたとき、それぞれ多くのDjの名前が挙がると思います。
また様々なメディアでも有名なDjや収入の高いDjなどがランキング形式で取り上げられています。
多くは共通した名前が挙がるものですが、その中の多くのDjがオランダ出身ということは意外と知られていない事実かもしれません。
もちろん既に知っているよ!という方もいらっしゃるとは思いますが、ではなぜオランダ出身のDjが多いのか?
その理由までは知らない人も少なくないと思いますので、ここではオランダという国やその環境をピックアップして、その理由を探ってみたいと思います。
理由①複数のレーベルがある
気軽にSNSなどで楽曲を発表し、インディペンデントでの活動も不自由なく行えるようになってきた時代。
とは言えやはりレーベルの力は大きく、楽曲のリリースは勿論宣伝や広告、イベントへの出演などをサポートしてくれる存在は重要です。
オランダに存在するクラブミュージック中心のレーベルは非常に質が高く、その選択肢も多いとされています。
例えば先ず名前の挙がる「Spinnin’ records」は後に紹介する有名なDjが多く所属しておりその規模も大きく、EDMシーンにおいては最大手と言われることも少なくないレーベルです。
他にも「Armada Music」といった大規模レーベルや、Djが立ち上げたレーベルも数多く存在しており、そのサポート体制は他国を圧倒的に上回る規模で充実していると言えます。
自身が人気を得るためのキッカケは勿論のこと、人気になってからのプロモーションなどの活動はやはり多くのサポートが必要となります。
そんな時に安心して背中を任せられる人々がいることで、Djは一層クリエイティブな活動に集中できるのではないでしょうか。
理由②若手Djが育つ環境が整っている
オランダでは「Dj育成プログラム」や「Dj体験イベント」といった催しや施設が多く用意されており、多くの子供たちが有名Djの元で実際に学び、スキルを身に着けています。
日本では少年野球や、ジュニアサッカーなどでプロの選手たちと交流する機会が用意されていたりします。
それと同じか、もしくはそれ以上にオランダでは有名Djとコミュニケーションしながら学べる機会が多く設けられており、子供のあこがれの職業としてDjは常に高い位置にランクインしているそうです。
理由③DjやEDMが生活に根付いている
オランダは実は古くからダンスミュージックに寄り添ってきた国家です。
まだ「EDM」という呼称が生まれるよりも前から、テクノやハードスタイル、トランスや日本ではロッテルダムテクノと呼ばれるガバなど、オランダ独自の進化を遂げたジャンルも生まれ国全体で人気を獲得していました。
その結果、クラブ以外のパーティは勿論スーパーなど、町中にクラブミュージックが溢れ人々の生活に寄り添う音楽へと発展していったのです。
ちなみにクラブでは10代前半の子供がプレイすることもあるそうで、当然クラブは未成年の入場が禁止されているために保護者同伴で子供のプレイを見届けてくれるとか。
それだけオランダの人たちにはEDMが根付いていて、当たり前の存在になっているということですね。
理由④国王一家もDjやEDMが好き
オランダは立憲君主制国家であり、国王が存在します。
その国王一家もEDMを受け入れており、なんと国王即位記念の日には大規模なレイヴが開催されているのです。
後にも紹介するArmin van Buurenがプレイした際には世界屈指の名を誇るアムステルダムの楽団「ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団」と共にEDMとクラシックの融合とも言うべきプレイを披露し国民は熱狂。
さらには国王一家もステージに登場し、Armin van Buurenと固い握手を交わすという一幕も。
それだけではなく、毎年行われる国王誕生を祝う「キングス・デイ」ではオレンジに彩られた町の至る所でクラブミュージックが流れます。
国王も様々な場所に姿を現し、パーティを楽しんでいるそうです。
即位記念や国王誕生のお祝いに開放的なイベントが開催され、国王もそれを受け入れてるというのは驚きですね。
オランダ人の世界的トップDjまとめ

オランダではEDMが国中に浸透し、生活に寄り添うレベルで受け入れられていることがわかりました。
オランダ出身のDjが多いのも納得ですが、具体的に有名なDjには一体どのような人物が名を連ねているのでしょうか?
ここからは世界的に有名となったオランダ出身のDjと、その代表曲を紹介させて頂きます。
Martin Garrix(マーティン・ギャリックス)
2013年にリリースされた「Animals」で有名なMartin Garrix(マーティン・ギャリックス)。
有名なドロップは普段EDMを聴かない人でさえ反応を示すほどで、この曲がEDMシーンに大きな変化を与えたといっても過言ではないでしょう。
そんな彼がDjを志したのはなんと8歳の頃。
後に紹介するTiëstoのプレイを見て衝撃を受け、その後両親同伴で様々なクラブで大活躍。
若くしてTiëstoと肩を並べる超大物Djとなり、2015年にはコラボレーションも実現。
たゆまぬ努力とパワフルな活動で夢を実現し、今では自らが憧れを抱かれる存在となったMartin Garrix。
2016年には自身のレーベル「STMPD RCRDS」を立ち上げ、様々なアーティストのサポートも行うなどEDMシーン全体に大きな影響を与えています。
Hardwell(ハードウェル)
惜しくも2018年9月にツアー活動を無期限休止してしまったHardwell(ハードウェル)。
上記のMartin Garrixと同じく、彼も幼い頃からDjを志したひとりです。
2010年に独立して立ち上げた自身のレーベル「Revealed Recordings」は40以上のアーティストが所属する大手レーベルに成長し、EDMシーンに欠かせない存在となりました。
数多くの名曲をリリースしているHardwell。
中でもJason Derulo(ジェイソン・デルーロ)のエモーショナルな歌声と、全身に活力がみなぎるような明るくパワフルなシンセが特徴の「Follow Me」などが有名です。
ツアー活動は休止してしまったものの、音楽活動そのものは継続すると力強く宣言しているHardwell。
彼の復帰を待ちわびる声は世界中から止むことはありません。
Afrojack(アフロジャック)
日本では三代目 J Soul Brothersへ楽曲提供を行ったことでも有名なAfrojack(アフロジャック)。
繊細なピアノから始まり、感動的なまでにエネルギッシュなドロップが胸を打つ「Ten Feet Tall」などはAfrojackのキャラクターが一発で伝わる代表的な楽曲と言えるでしょう。
さらには2m超えの恵まれた体躯から繰り出されるパフォーマンスの華やかさは随一です。
美しくも活力に満ちた楽曲も相まって彼のステージに魅了される人は増え続ける一方。
今なお世界中を飛び回る彼はこれからもEDMシーンを牽引する存在であり続けるでしょう。
Armin van Buuren(アーミン・ヴァン・ブーレン)
ダッチトランスを代表する超大物Dj、Armin van Buuren(アーミン・ヴァン・ブーレン)。
ユーロトランスから派生したダッチトランスのシーンを作り上げた超重要人物の一人です。
1995年から活動を続ける彼はシーンの最重要人物として君臨し、今なおEDMを語るにあたって外すことの出来ない生ける伝説と化しています。
前述した国王即位記念でのエピソードのみならず、数々の偉業を成し遂げているArmin van Buuren。
クラブミュージックの今も昔も知る彼だからこそと言えるアンセム「Blah Blah Blah」。
爽やかなメロディ、力づくではない自然な盛り上げ方が見事な「This Is What It Feels Like」などが近年の代表曲です。
長い活動の中で敏感に流行を取り入れ、また流行を作り出しているArmin van Buuren。
彼の伝説はこれからも続いて行きます。
Tiësto(ティエスト)
1985年から活動を開始し、上記のArmin van Buurenと共にダッチトランスの第一人者として君臨し続けたTiësto(ティエスト)。
彼は2004年に行われたアテネオリンピックにおいて、Djとしては初めてパフォーマンスを行った人物です。
数々の偉大な功績を残し「EDMの皇帝」と呼ばれるTiësto。
前述のMartin Garrixをはじめ彼に憧れてDjとなった人物は多く、そういったDj達と積極的にコラボレーションも実現させています。
2014年にEDMシーンを揺るがした名曲「Red Lights」や、今なお色褪せぬダッチトランスの壮大な名曲「Elements of Life」など有名な曲は数知れず。
50代とは思えないパワフルな活動を続けるTiësto。
彼の存在はこれからもEDMシーンに力を与え続けるでしょう。
オランダ人の注目Dj

ここからはすでに有名なDjはもちろん、これから要注目と言われているDjも紹介します。
EDM大国オランダからは常に今後のEDMシーンを大きく揺るがす若い才能が生まれています。
偉大なレジェンド達に負けず劣らずの実力派が勢ぞろい。
それぞれの人物について詳しく書かれた記事へのリンクも掲載しているので、気になったDjがいたら是非ともチェックしてみてください。
NICKY ROMERO(ニッキー・ロメロ)
既にトップクラスの有名Djの仲間入りを果たしているNICKY ROMERO(ニッキー・ロメロ)もオランダ出身のDj。
激しく脳を揺らすように上下するメロディから、仰々しい独特なドロップが印象的な代表曲「Toulouse」。
Avicii(アヴィーチー)とのコラボで生まれた、メッセージ性の強い楽曲「I Could Be The One」などが有名です。
また日本の音楽にも興味を持ち、SEKAI NO OWARIの大ヒット曲「Dragon Night」のサウンドプロデュースを行うなど積極的に交流も行っています。
様々なシーンで活躍するNICKY ROMEROは、今後のEDMシーンに欠かせない重要なDjの一人です。
Don Diablo(ドン・ディアブロ)
ハウスビートが強調され、よりディープな印象のジャンルFuture House。
2013年に生まれ、EDMシーンに新たな風を巻き起こしたジャンルを代表する人物の一人、Don Diablo(ドン・ディアブロ)。
Big Beatにおける最重要人物、Fatboy Slimの伝説的名曲「Right Here, Right Now」を大胆にサンプリングした楽曲「Momentum」などがよく知られています。
ディープなサウンドの魅力と間口の広いキャッチーさを併せ持つDon Diablo。
Future Houseのみならず今後のEDMシーンで益々影響力が高まって行くこと間違いなしの要注目Djの一人です。
Yellow Claw(イエロークロウ)
Yellow Claw(イエロークロウ)は2010年に結成された、NizzleとJim Aasgierの二人からなるEDMユニット。
ストレートに刺さるRochell(ロシェル)の歌声と、近年の流行を的確に押さえた楽曲「Shotgun」が特に有名です。
他にも幻想的な雰囲気と、Future Bass的なドロップがエモーショナルな「Love & War」など、音楽への誠実さが感じ取れる楽曲はどれも魅力たっぷり。
御託抜きのストレートな「カッコよさ」では随一。
是非チェックしてみてください。
Brooks(ブルックス)
Martin Garrixが注目しているということで話題になった若手最注目Djの一人、Brooks(ブルックス)。
David GuettaとMartin Garrix、そしてBrooksの3名でリリースした楽曲「Like I Do」でその名を一気に広めました。
懐かしさと新しさが共存するBrooksの真骨頂ともいえる人気曲「Make Your Move」など、コラボレーション曲以外でも素晴らしいセンスを発揮しています。
多くのDjから熱烈なサポートを受け、また自身の努力も欠かさずハイレベルな活動を見せるBrooks。
彼がオランダのEDMシーンを代表するDjとなる日はそう遠くないかもしれません。
Holl & Rush(ホールアンドラッシュ)
こちらも多くの人気Djが注目しているユニット、Holl & Rush(ホールアンドラッシュ)。
Fedde Le Grand(フェデ・ル・グランド)とのコラボレーションで発表された「Feel Good」など、既に有名な曲も沢山リリースされています。
シーンの流行を敏感に感じ取るセンスに長けており、時代に合わせたサウンドメイクは彼らならでは。
近年はFuture House系の楽曲のリリースが多く、今後さらなるブームによって彼らの名前が爆発的に広まる可能性も高め。
今のうちからチェックしておいて損はないアーティストです。
Sam Feldt(サム・フェルド)
トロピカルハウスシーンの注目株、Sam Feldt(サム・フェルド)。
大手レーベル「Spinnin ‘Records」と契約し、一時は楽曲の方向性に悩んだこともあるようですがトロピカルハウスに自身の道を見出しました。
ドロップの音作りなどまさに「トロピカル」な楽曲「What About The Love」。
センチメンタルな空気と常夏の熱気が共存する「Hungry Eyes」など、盛り上がりつつも心が浄化されるようなサウンドが魅力です。
彼の相棒でありアイコン的存在である「Igor」という名前のクマと共に世界各地を爽やかに盛り上げるSam Feldt。
今回名前の挙がったDjの中でも特に、生でその世界を味わいたいと感じるDjの一人です。
まとめ

今回、多くのオランダ出身Djの紹介と共に、何故こんなにも多くのオランダ出身Djが世界中で活躍しているのかという疑問を取り上げました。
そこには世界中のどの国よりも早くクラブミュージックに親しみ、国民に寄り添う文化として受け入れてきた背景がありました。
さらには国のトップも交えて一緒に盛り上がれるというオープンな気質と音楽を愛する姿勢。
そして家族や周りの人々がDjを支える環境が出来上がっており、先人たちは後輩の成功を全力でサポートしています。
今後もオランダ出身のDjが世界を沸かし続けることでしょう。
偉大なレジェンド達、そしてまだ見ぬ若き才能が芽を出す瞬間にも要注目です。