Knife Party(ナイフ・パーティー)とは

Knife Party(ナイフ・パーティー)とは、その凶暴な名前の通り、ナイフのように鋭い攻撃的な音楽を制作しているユニットです。
ナイフ・パーティーが発表する音楽は、Dubstep(ダブステップ)と呼ばれる音楽のジャンルに当てはめられます。ナイフ・パーティーの魅力や、ダブステップがどういう音楽なのか、これらを詳しく解説していきます。
プロフィール
ナイフ・パーティーは、Rob Swire(ロブ・スワイヤ)とGareth McGrillen(ギャレス・マクグリレン)によるダブステップユニット。共にオーストラリア出身のミュージシャンです。
ナイフ・パーティーですが、実は元々、Pendulum(ペンデュラム)というオーストラリアのエレクトロニック・ミュージック・バンドから独立して出来たユニットなのです。
ペンデュラムは、Drum ‘n’ Bass(ドラムンベース)と呼ばれるジャンルの代表的なアーティストの一組として名高い、世界的人気バンドです。
ドラムンベースとは、曲のスピードが早めで、高速かつ複雑なドラムパターンと、重低音ベースが特徴的なジャンル。
ナイフ・パーティーは他のダブステップアーティストに比べ、前身のペンデュラムの活動からの影響が強く見られる音楽性が特徴的と言えるかもしれません。
ちなみに、ナイフ・パーティーの二人はセブンイレブンのとんかつサンドが大好きだそうです。また、ネット上で有名な美味しんぼのコラージュ画像において、「うるさい方」と紹介されているのはギャレスの方です。
ダブステップとは
ダブステップとは、リバーブの深くかかったドラムが特徴的な2ステップのことです。2ステップとは、1小節中で1拍目と3拍目でキックドラムを強調し、それ以外のドラムパターンが不規則に配置されたクラブュージックのジャンルです。
ただし現在では、ワブルベースなどの現代的な特徴を有した曲をダブステップと指すような傾向がとても多く見られます。詳しくは下記の記事で解説していますので、合わせてご覧ください。
※ワブルベース : 人がうなるかのように聞こえる特徴的なベース。「ギュイーン」とも聞こえる、強烈な印象を見せてくれます。
Pendulum(ペンデュラム)のおすすめ曲

まずはペンデュラムのおすすめ曲を紹介しています。ペンデュラムの曲を予め押さえておけば、ナイフ・パーティーの楽曲にもスムーズに馴染めるはずです。
「Voodoo People (Pendulum Remix)」
【タイトル】The Prodigy – Voodoo People (Pendulum Remix)
伝説的なビッグビート・バンド、The Prodigy(プロディジー)による「Voodoo People」のペンデュラムリミックスです。
プロディジーはBig Beat(ビッグビート)と呼ばれる音楽ジャンルの代表的なアーティストの一組。ビッグビートはエレクトロニック・ミュージックに、ロックサウンドを取り入れたような楽曲が特徴です。
この曲はペンデュラムらしいドラムンベーステイストのリミックスです。クラブやフェスでは大定番の名曲で、原曲よりも有名と言えるでしょう。
「Blood Sugar」
【タイトル】Pendulum – Blood Sugar [1080p HD]
重いベースと特徴的な展開、明るくも暗くもない奇妙なメロディによる一曲。複雑で高速なリズムパターンによる、ドラムンベースらしい疾走感も抜群です。「ジャンッ!」と鳴るような厚みのあるクラシックなサウンド、オーケストラルヒットが特徴的です。
「Tarantula」
【タイトル】Pendulum – Tarantula [HD]
レゲエボーカルが特徴的な一曲。ドラムンベースの元のジャンルと言われるJungle(ジャングル)は、レゲエからの派生ジャンルであり、ドラムンベースとの相性が良いのも納得でしょう。
「Witchcraft」
【タイトル】Pendulum – Witchcraft (Official Video)
疾走感のあるドラムサウンドを聞けば、一発でペンデュラムと分かるような彼らの持ち味が存分に生かされた曲です。切ないボーカルが感動を、そして疾走感を更に増長させます。ピコピコしたサウンドも印象深いです。
「Crush」
【タイトル】Pendulum – Crush (Official Video)
ポップセンスの光る一曲。他のペンデュラムの楽曲に比べてとてもキャッチーに聞こえます。重いギターの音も冴え渡っており、ロックバンドと紹介されても何ら違和感のない仕上がりです。
Knife Party(ナイフ・パーティー)のおすすめ曲

ペンデュラムの楽曲はお楽しみいただけたでしょうか。次に、本題であるナイフ・パーティーの楽曲を聞いていきましょう。これまでに聞いてきたようなドラムンベースとは違い、テンポを落として超凶悪にしたような楽曲の応酬です。
「Bonfire」
【タイトル】Knife Party – ‘Bonfire’
レゲエ風味のボーカルが特徴的ですが、ドロップでこの曲は様相を大きく変えます。超強烈なワブルベースが繰り出され、暴力的とも言える空気感を演出します。
ドロップ以外では重いキックドラムも強烈です。クラブミュージックの中でも、より激しいジャンルによく使われるようなサウンドです。
※ドロップ : 一般的に楽曲のサビに当たる部分。
「Fire Hive」
【タイトル】Knife Party – Fire Hive
せり上がるような超凶悪ワブルベースが特徴的な一曲。ナイフ・パーティーの楽曲の中でも、特にワブルベースの凶悪さに振り切ったかのような印象を見せてくれます。中盤からの展開はガラッと雰囲気が変わり、更に繰り返されるワブルベースでノックアウトです。
「Internet Friends」
【タイトル】Knife Party – ‘Internet Friends’
女性の語りから始まり、重く歪んだキックドラムが鳴り響く一曲。ブレイクから徐々に曲の展開が変わり、インターホンやノック、iPhoneの着信音といった印象深い演出が挟まり、ドロップで一気にワブルベースが暴れます。
SNSをテーマにした楽曲で、歌詞にもFacebookなどの固有名詞が登場する非常に変わった曲と言えるでしょう。
※ブレイク : break(ブレイク)=休憩。その名の通り、曲中においてリズムやメロディなどが停止する場面。
「Centipede」
【タイトル】Knife Party – Centipede
不気味なイントロで幕を開ける曲。男性による語りも、tarantula(タランチュラ)や、曲名であるcentipede(ムカデ)、といった気味の悪いワードを含んでいてより不快感を与えてきます。
そしてドロップ。ナイフ・パーティーの実力が伺い知れるような、強烈で切れ味の鋭いサウンド、キャッチーで耳に残るメロディ満載のドロップで、一気に不快感を吹き飛ばしてくれます。
「Power Glove」
【タイトル】Knife Party – ‘Power Glove’ – OUT NOW
女性の声によるコーラスと、シネマティックな面影のあるサウンドがなんとも不気味な曲です。2回目のドロップでは更に凶悪さを増し、それにともなって思わず踊りだしたくなるような一曲です。
「Boss Mode」
【タイトル】Knife Party ‘Boss Mode’
ヒップホップをルーツに持ち、重厚なベースや高速ハイハットが特徴的なクラブミュージックのジャンル、Trap(トラップ)からの影響を強く感じさせられる一曲。
ナイフ・パーティーらしい恐ろしい雰囲気は変わらずのままであり、トラップ風なメロディがより恐怖心を煽るようです。ボーカルの編集も印象深いです。
「Rage Valley」
【タイトル】Knife Party – ‘Rage Valley’
ナイフ・パーティーらしい、強烈で重厚なワブルベースとメロディが存分に楽しめる一曲ですが、中盤からのエモーショナルな展開が聞きどころ。どこかペンデュラムらしさを感じます。
「Battle Sirens」
【タイトル】Knife Party & Tom Morello – Battle Sirens
Rage Against the Machine(レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン)のギタリストとして知られ、変態的とも言える超トリッキーなサウンドを繰り出すTom Morello(トム・モレロ)とのコラボ曲。
レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンでも聞けるような軽快でノリのいいギター、そこに合わさるのはナイフ・パーティーによる強烈なメロディーライン、重いキック。非常にアグレッシブな楽曲となっています。
「Give It Up」
【タイトル】Knife Party ‘Give It Up’
こちらの楽曲もレゲエボーカルが使用された楽曲です。ドロップはとてもノリやすいものになっており、ワブルベースも重厚です。ペンデュラムの項目でも紹介した、「ジャンッ!」と鳴るオーケストラルヒットが特徴的です。
「LRAD」
【タイトル】Knife Party – LRAD
この曲を分類するならElectro House(エレクトロ・ハウス)でしょうか。ワブルベースが鳴り響く今までの曲とは違い、クラブで頻繁に流されるようなノリのいいジャンルなので聞きやすいはずです。
「Unison (Knife Party Remix)」
【タイトル】Porter Robinson – Unison (Knife Party Remix)
日本でも大人気、そして日本が大好きで有名なDJ・プロデューサーのPorter Robinson(ポーター・ロビンソン)による「Unison」をナイフ・パーティーがリミックスした曲です。
こちらの曲は非常にテクニカルなワブルベースのように感じます。いつまでも聞いていたい、複雑な音の絡みに酔いしれましょう。
ポーター・ロビンソンについては下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひともご覧ください。
「PLUR Police」
【タイトル】Knife Party – PLUR Police
出だしからトリッキーな音の応酬で、思わず曲の世界観に引き込まれます。重いキックドラムが踊りを誘うサウンドで、ドロップの展開もおもしろいです。
「Ghost Train」
【タイトル】Knife Party – Ghost Train
曲名の通り、電車で聞こえるような金音、汽笛などが印象深い一曲。ドロップでは幽霊がうなるような奇妙なサウンドを聞かせ、さらに展開を進めより深い世界へ。不気味な曲が多いナイフ・パーティーの曲の中でも、その傾向を更に推し進めたような楽曲になっています。
「Lost Souls」
【タイトル】Knife Party – Lost Souls
こちらも「Ghost Train」のように恐怖感を煽るような楽曲です。しかし、ドロップではナイフ・パーティーらしい激しめのサウンドで展開し、十分に「踊れる」サウンドに仕上がっています。シネマティックなサウンドが印象的。
「404」
【タイトル】Knife Party ‘404’
ナイフ・パーティーにしてはやや珍しい、きれいなメロディーが特徴的な一曲です。タイトルの「404」は、インターネット上においてページが削除された場合などに表示されるエラーメッセージのことで、パソコンを使用する方にはお馴染みのもの。
また、パソコンを使用する方に馴染み深いのは曲名だけでなく、曲中にも聞き覚えのある効果音が。非常に印象深い、ユニークな演出になっていますので、ぜひ耳を澄ましてお聞きください。
「Kraken」
【タイトル】Knife Party & Tom Staar – Kraken
イギリスのDJ・プロデューサーであるTom Staar(トム・スター)とのコラボ曲です。トム・スターは、Groove House(グルーヴ・ハウス)の代表的なアーティストであるKryder(クライダー)との共作で非常に有名です。
北欧に伝わる海の怪物Kraken(クラーケン)をモチーフに制作されたと思われるこの一曲。トム・スターの参加によって、普段とは違うナイフ・パーティーの一面を知ることが出来ます。
グルーヴ・ハウスについては下記の記事で詳しく解説しています。ぜひともご覧ください。
Knife Party(ナイフ・パーティー)のライブパフォーマンス

次に、ナイフ・パーティーのライブパフォーマンスについてご紹介します。曲だけでなく、DJセットも最高にカッコいい仕上がりになっていますので必見です。
「Ultra Music Festival Miami 2015」
【タイトル】Knife Party @ Ultra Music Festival Miami 2015
動画内で見える通り世界各国の国旗が上がることに代表されるような、世界最大規模のEDMフェスの一つ、「Ultra Music」でのパフォーマンス。
アメリカのマイアミにて、2015年に行われたパフォーマンス。楽曲の暗いイメージを吹き飛ばすかのような大盛り上がりのライブとなっていて、ナイフ・パーティーに対する印象も変わってくるかもしれません。
「Knife Party / Pendulum Headline Set Ultra, 2016」
【タイトル】Knife Party / Pendulum Headline Set Ultra, 2016
ナイフ・パーティーとペンデュラムによる「Ultra Music」のセット。こちらもアメリカのマイアミにて行われたパフォーマンスで、先ほどご紹介したトム・モレロと、世界的に有名なDJのDeadmau5(デッドマウス)も参加しています。
「Internet Friends」
【タイトル】Knife Party – ‘Internet Friends’ at Future Music Festival Sydney
先ほどご紹介した超人気曲の「Internet Friends」のライブパフォーマンスです。観衆の盛り上がりようを見てください。この曲がいかに愛されているかがおわかり頂けたと思います。
「Centipede」
【タイトル】Knife Party – ‘Centipede’ at Future Music Festival Sydney
こちらも人気曲の「Centipede」。観客の盛り上がり、そしてこの曲のワブルベースの音圧の凄まじさが分かる動画となっています。
Knife Party(ナイフ・パーティー)の来日予定

残念ながら、記事執筆時点の2020年1月時点ではナイフ・パーティーの来日予定は立っていません。直近の来日では2019年の7月13日にて、放水によってずぶ濡れになることで有名なフェスの「S2O JAPAN 2019」に出演しました。
何度も訪れ、ナイフ・パーティーが1番好きな国の一つと話す日本。必ず近い日に来日を果たすと確信しても間違うことはないでしょう。
まとめ

今回はダブステップの代表的なアーティストの一組として知られるKnife Party(ナイフ・パーティー)についてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
その名の通り、刃物のように切れ味抜群のサウンド、分厚く強烈なワブルベースでフロアを沸かす凶悪アーティストの彼ら。前身はドラムンベースの超有名バンドPendulum(ペンデュラム)であり、その経験が彼らの音楽を、他のアーティストとは違う魅力になっています。
いつかきっと再来日も果たすであろう要注目ユニットです。今のうちに彼らの楽曲を聞いて予習しておきましょう。