Avicii(アヴィーチー)とは?引退や死因、人気の15曲を紹介

DJ紹介

Avicii(アヴィーチー)とは

Avicii(アヴィーチー)はEDMを代表するDJ・音楽プロデューサー・ソングライターです。グラミー賞に2度ノミネートされ、世界のトップDJリスト3位選出、世界的アーティストとのコラボ、リミックスを手がけるなど、若くして輝かしいキャリアを築きました

20代から世界のEDMシーンのトップに君臨する才能がありながら、28歳という若さでのあまりにも惜しい死が報じられたのが記憶に新しいです。

まずここでは、アヴィーチーがどういう経歴を持つアーティストなのか詳しく見ていきましょう。

プロフィール

アヴィーチーの本名はTim Bergling(ティム・バーリング)。また、Tim Berg(ティム・バーグ )Tom Hangs (トム・ハングス)というアーティスト名を使用することもありました。

1989年9月8日生まれ、2018年4月20日没のスウェーデン出身のDJ・音楽プロデューサーで、EDM、プログレッシブ・ハウス、エレクトロ・ハウスなどのジャンルを代表するアーティストです。

Avicii(アヴィーチー)の名前の由来

「Avicii」はサンスクリット語で「無間地獄」を表す「avīci」が由来です。

無間地獄とは仏教で説かれる地獄の中でも最も苦しいとされ、「阿鼻叫喚」の阿鼻を中国語にしたものが「無間」になります。

間が無い地獄と書く通り、休みなく激しい苦しみが続くという恐ろしい言葉ですが、それをアーティスト名の由来にするのは面白いですね。

Avicii(アヴィーチー)の生い立ちと経歴

ここでは、アヴィーチーの生い立ちと経歴を簡単にご紹介します。早い段階から音楽的経験を積み、若くして世界のトップDJ・プロデューサーになったことが分かりますよ。

生い立ち

アヴィーチーは1989年9月8日にスウェーデンの首都、ストックホルムにて、父:クラース・バークリング、母:アンキ・リデンのもとに生まれました。母はアカデミー候補作映画にも出演した映画女優。

高級住宅街エステルマルム地区で育ったアヴィーチーには異父兄のアントン、異父姉のリンダ、兄デヴィッドがいます。幼いころから兄の影響でいろいろな音楽に触れていたアヴィーチーは、早い段階から音楽家志望でした。

やがて「FL Studio」などのDAW(音楽制作)ソフトを発見し、DJ・エレクトロニカ・ハウスといった音楽にのめりこんでいきます。当時影響を受けた主なアーティストはティエスト、スウェディッシュハウスマフィア、エリック・プライズ、ダフトパンク、レイドバック・ルークなど。

寝室に機材を持ち込んで制作スペースにし、なんと8歳からリミックスに取り組んでいました。そして16歳には曲作りも開始し、2007年の5月には「Dejfitts Plays」レーベルと契約。徐々に本格的なキャリアをスタートさせます。

キャリア初期~2013年まで

Laidback Luke(レイドバック・ルーク)というDJが主宰するネットフォーラムで自身のデモを発表し続け、2009~2010年ごろからアヴィーチーの才能が認知され始めます。

そして2010年にTim Berg名義でリリースされた楽曲「Seek Bormance」は全英チャートを含む複数国でトップ20にチャートインするヒットを記録。同年10月には大手のEMIと契約し、ここからアヴィーチーの快進撃が始まります。

第1のピークは2011年にリリースしたシングル「Levels」で、アメリカやオーストラリアなどヨーロッパ圏以外でもトップ10にチャートインし、世界のメインストリームでの成功を果たします。同曲は2013年グラミー賞の最優秀ダンス・レコーディングにノミネートされました。

この成功以降、マドンナレニー・クラヴィッツなど世界的アーティストのリミックス・共作、世界各地のツアー、イギリスの『DJマガジン』による世界のトップDJリストの3位選出など、活躍の幅を広げていきます

2013~2015年 アルバムリリース

2013年にはファーストアルバム「True」を発表。先行シングルの「Wake Me Up」はSptifyのグローバルチャートで1位、ビルボードのダンス/エレクトロニックのソングリストで14週間連続1位、2013年の英国シングル最速売り上げ記録を更新するなど、DJ・音楽プロデューサーとしての名声を確固たるものにします。

著名アーティストとのコラボレーションや大型フェスでのパフォーマンスを行いながら、2015年にはセカンドアルバムの「Stories」をリリース。名実ともにEDMを代表するアーティストとして評価を固めます。

2016年 DJ活動から引退

2016年の春、健康上の問題からライブやツアーなどのDJ活動から年内に引退することを発表。同年8月にイビザ島のUshuaïa Ibizaで最後のパフォーマンスを行いました。

2017年10月26日に公開されたドキュメンタリー「Avicii: True Stories」でも、身体・精神ともに健康面での不安があることを本人が語る場面が収録されていて、若くして引退、そして翌年の死の原因のひとつなのではないかというファンもいます。

Avicii(アヴィーチー)が抱えていた健康問題

アヴィーチーはかなり早い段階から健康面での問題を抱えていました。

2012年には多量のアルコール摂取による急性膵炎でNYの病院に11日間入院しています。2013年にはタイム誌に「パーティのし過ぎで飲み過ぎている」と語るほどです。

2014年に胆嚢と虫垂を切除する手術を受けています。その後も多忙を極める活動のストレスからか健康面で不安があり、2016年にはライブパフォーマンスからの引退を表明。

先述した2017年のドキュメンタリーでは「自分はもうすぐ死ぬ」とまで語っており、身体面・精神面ともに疲弊していたことが伺えます。

Avicii(アヴィーチー)の死因

2018年4月20日にオマーンのマスカットで死亡が発見され、死因が自殺であることを示唆する声明文がアヴィーチーの家族から発表されました。ワインボトルなどのガラス片による自傷が原因だと報じられています。

アヴィーチー名義で活動していたスウェーデン人DJ兼プロデューサーのティム・バーグリングの死因は自殺だった。バーグリングの家族は彼の死に関する声明文を出し、その中で「彼は真意、人生、幸せについて非常に思い悩んでいて、平穏を求めていました」と述べた。

https://rollingstonejapan.com/articles/detail/28295/1/1/1

また、アヴィーチーの死を偲んで追悼コンサートが開催され、追悼動画も公開されました。シーンに与えた多大な影響、彼へのリスペクトの大きさ、残してくれた素晴らしい音楽が受け継がれていることをひしひしと感じます。

AVICII TRIBUTE Grammis 2019

Avicii(アヴィーチー)の人気15曲

ここからはアヴィーチーの代表的な人気の15曲をご紹介します。単なるEDMの枠にとどまらない、アコースティックでどこかメランコリックな味わいもある幅広い音楽性が魅力です。

Wake Me Up

Avicii – Wake Me Up (Official Video)

YouTubeで19億回近い再生回数を誇り、最も有名なアヴィーチーの人気曲のひとつです。

アメリカ出身のソウルシンガー、Aloe Blacc(アロー・ブラック)をフィーチャー。ソウルフルな歌声で奏でられる哀愁のあるポップなメロディにフォークギターの音色、そこにEDMのサウンドが重なる個性的な楽曲。

アヴィーチーらしいフォーク/カントリーテイストのあるEDMが楽しめる1曲です。

Levels

Avicii – Levels

1962年にリリースされたEtta James(エタ・ジェイムズ)の楽曲「Something’s Got a Hold on Me」をサンプリングして作られた楽曲。

2011年にリリースされ、アヴィーチーが世界的に知られるきっかけになった代表曲エレクトロな踊れるサウンドから一転、ハイトーンのヴォーカルが入ってくる所は何度聴いてもかっこいいですね。

登場人物が最終的にみんなで踊り出すMVも面白いです。

Waiting For Love

Avicii – Waiting For Love

オランダの人気DJ・音楽プロデューサーのMartin Garrix(マーティン・ギャリックス)とコラボした楽曲で、アルバム「Stories」に収録されています。

ウニョウニョ系のシンセサウンドで奏でるポップなメロディ、アコースティックピアノが映える哀愁のあるサウンド、EDMらしい踊れる場面など、さまざまな展開がバランスよく一体になったセンスあふれる1曲

Cherry Ghost(チェリーゴースト)というバンドのSimon Aldred(サイモン・オルドレッド)がヴォーカルを努めており、力強い歌声がメロディとマッチしています。

I Could Be The One

Avicii vs Nicky Romero – I Could Be The One (Nicktim)

オランダ出身のDJ・音楽プロデューサーNicky Romero(ニッキー・ロメロ)とコラボした2012年リリースのシングルで、全英チャート1位を獲得しています。

EDMの醍醐味でもあるエレクトロなシンセサウンドに、ポップで切ないメロディが心地いい楽曲。スウェーデン出身のシンガーNoonie Bao(ヌーニー・バオ)の透明感のある歌声が素敵です。

The Nights

Avicii – The Nights

カントリーやアイリッシュなどのアコースティックな伝統音楽の雰囲気と、ダンスミュージックが見事に融合している楽曲。

思わず一緒に合唱して叫んで飛び跳ねたくなるような底抜けに楽しいムードを持った音楽で、盛り上がること間違いなしの1曲です。MVも全力で楽しんでる感じが伝わってきて痛快ですね。

The Days

Avicii – The Days (Lyric Video)

曲の歌詞をフィーチャーした「リリックビデオ」形式のMVがアーティスティックで印象的な楽曲。

イギリス出身のシンガーRobbie Williams(ロビー・ウィリアムズ)の歌声に、アコースティックギターをフィーチャーしたサウンドは耳心地が良く聴きやすいです。

クライマックスでは思い切りエレクトロなサウンドになり、MVも合わせて展開があるのでぜひ最後まで見てみてください。

Hey Brother

Avicii – Hey Brother

フォークロックのようなサウンドから始まり、途中でしっかりEDMらしい踊れるサウンドに展開するアヴィーチーらしい楽曲

アメリカ出身のDan Tyminski(ダン・ティミンスキー)の歌唱と哀愁のあるコード進行で、「懐かしの音楽」とでも言うべき安心感を持っています。それと同時にダンスミュージックの爽快感もある稀有な1曲です。

For A Better Day

Avicii – For A Better Day

アコースティックピアノのおしゃれなサウンドと、打ち込みのエレクトロなサウンドの交差が美しくてかっこいい楽曲。

ボーカルのAlex Ebert (アレックス・エバート)の、絞り出すようなハイトーンヴォイスで紡がれるメロディと、児童売買をテーマにしたMVが情感に訴えかけてきます

Silhouettes

Avicii – Silhouettes

2012年リリースの楽曲で、このトラックに使われているシンセの4つ打ちは当時のEDMシーンで流行っていました。EDMファンなら好きな人が多い音作りではないでしょうか。

ヴォーカルもいい意味でマシンっぽい加工感があって、広い部屋で大音量で聴くと気持ちいいトリップ感を味わえます

Addicted To You

Avicii – Addicted To You

YouTubeの再生回数が2.5億回を超えている人気楽曲で、アルバム「True」に収録されています。

アメリカ出身のシンガーAudra Mae(アウドラ・メイ)のソウルシンガーのようなパワフルで情熱的な歌声は、EDMファン以外にもアピールする魅力がある1曲

アコースティックなサウンドからダンスミュージックへ変化するアヴィーチーらしい展開がしっかり入っているのもポイント。

You Make Me

Avicii – You Make Me (Official)

イントロのかっこいいピアノリフと4つ打ち、そして登場するざらついたサウンドのヴォーカルにいきなり心を掴まれる楽曲です。

往年のファンクミュージックのようなレトロ感のあるサウンドに、ローラースケートで踊るユニークなMVの組み合わせが魅力的。

盛り上がって踊れるEDMとクールで洗練された音楽を高いレベルで融合するアヴィーチーの実力が感じられる1曲です。

Broken Arrows

Avicii – Broken Arrows

ポップで切ないアヴィーチーのメロディセンスを堪能できる楽曲。イントロや間奏で登場するシンセリフも面白い音使いかつリズミカルで、哀愁があるのにドライブするバランスが素晴らしいです。

ヴォーカリストはZac Brown Band(ザックブラウンバンド)というカントリーバンドのZac Brown(ザック・ブラウン)。明るい歌声が哀愁のあるメロディをさわやかに伝えていてとても心地良いです。

Lay Me Down

Avicii – Lay Me Down

まるで生のファンクバンドが演奏しているかのような生々しいサウンドで、思わず踊り出したくなるような楽しい楽曲

エレキギターのカッティングやベースのブリブリしたファンキーな音が盛り込まれていて、楽器をやるバンドマンにもおすすめな1曲。アヴィーチーの多才さが分かります。

Without You

Avicii – Without You “Audio” ft. Sandro Cavazza

ライブパフォーマンス引退後の2017年にリリースされたEP「Avīci (01)」に収録された楽曲。イタリア出身のシンガーソングライターSandro Cavazza(サンドロ・カヴァツァ)をフィーチャーしたポップなEDMチューンです。

一気に盛り上がるサビは飛び跳ねて一緒に歌いたくなりますね。アコースティックからエレクトロへのアヴィーチー印の展開は健在で、DJ活動は引退してもクリエイティビティは衰えません

A Sky Full Of Stars

Coldplay – A Sky Full Of Stars (Official Video)

全世界トータルセールス1億枚以上を記録するイギリスのモンスターバンド、Coldplay(コールドプレイ)名義の楽曲ですが、実はヴォーカルのChris Martin(クリスマーティン)とアヴィーチーの共作

普段のコールドプレイとは一味違うEDMテイストは、まさにアヴィーチーのカラーが反映された1曲。他アーティスト名義の作品でも発揮される、アヴィーチーの才能と個性が垣間見える作品です。

Avicii(アヴィーチー)の新アルバム

2019年6月6日、アヴィーチーの死後に最新アルバム「TIM」が発売されました。

アヴィーチーは死の間際まで3作目のフルアルバムになるはずだった音源を制作しており、死後に遺族や所属事務所が彼の機材やスマホやメールなどを全て洗い出した結果、約200もの楽曲やデモが発見されたのです。

5年分もの音源からアルバム候補曲を選出し、少数精鋭の共同プロデューサーやソングライター達の手でアルバムに仕上げられました。

シングル曲「SOS」メイキング映像も

Avicii – SOS (Fan Memories Video) ft. Aloe Blacc

アルバム「TIM」収録曲からは、代表曲「Wake Me Up」でもヴォーカルを努めたアロー・ブラックをフィーチャーした「SOS」が先行公開されました。アローブラックは声明で次のように述べています。

“SOS”はこの曲が書かれた時よりも時を先駆けている曲だと思っているんだ。この歌詞は明らかに彼の葛藤について書いたもので、彼の視点や彼の耳や心にアクセスするにあたって、そこに近づき、それを共有することは重要なトピックなんだよね。『助けが必要だ』ということのできる言葉を与えることについてなんだ

https://nme-jp.com/news/71386/

また、日本語字幕付きのメイキング映像も公開されています。とても興味深い内容なのでぜひ見てみてください。

Avicii – The Story Behind "SOS" ft. Aloe Blacc

Avicii(アヴィーチー)の遺伝子は受け継がれる

死後もなおEDMシーンに影響を与え続けるアヴィーチー。もちろん日本にも彼をリスペクトするプロデューサーは多いです。

そんな中、アヴィーチーも認める若手DJとして注目を集めているのが「banvox(バンボックス)」です。以下の記事に詳しくまとまっていますのでこちらも要チェック。

まとめ

幼少期から音楽制作を開始し、20代前半で世界的な成功を収めたアヴィーチー。素晴らしい作品を多数残しているだけに、若くしての死がとても悔やまれます。

天才的な才能を活かしたトップクラスの華やかな活動は、我々には想像できないプレッシャー、ストレスを与えていたのかもしれません。

しかしアヴィーチーの楽曲には、美しいメロディでハッピーにさせてくれるものや、切ないのに踊りたくなるような素敵なものがたくさんあります。彼の残した音楽遺産をぜひ体験してみてください。

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