ティエスト(Tiësto)とは
ティエスト(Tiësto)は1969年1月17日にオランダの南西部、ブレダに生まれたベテランのDJです。本名はタイズ・ミヒール・ビェルウェスト(Tijs Michiel Verwest)で、ファーストネームの「Ti」とラストネームの「est」を組み合わせてTiëstoと名乗っています。
出身地
彼が生まれたブレダは、オランダで最もベルギーの国境に近い場所にあります。大教会や聖母教会のある美しい街で、彼の音楽性にも影響を与えているかもしれません。
どんな経歴
ティエストは1985年よりDJとしての活動を始めます。その後1997年に「Black Hole Recordings」という自身のレーベルを立ち上げました。
1999年に同じくオランダ出身のアーティスト、フェリー・コーステン(Ferry Corsten)とグリエラ(Gouryella)というユニットを結成。グリエラは数多くのヒット作をリリースし、ティエストの活動が広く認知されるきっかけとなりました。
2004年に夏季アテネオリンピックのオープニングセレモニーで、選手入場の際にオリンピック初のDJとしてのパフォーマンスを行いました。
2017年にアメリカ出身モデルのアニカ・バックス(Annika Backes)と結婚しています。なんと結婚式はグランドキャニオンで挙げたそうです。
現在はEDMの皇帝、もしくは帝王などと呼ばれる人気DJとして活躍しています。数々の若手アーティストのプロデュースを始め、大ヒットを飛ばし続けるスーパープロデューサー・DJがティエストです。
グリエラ(Gouryella)が手掛けたジャンル、トランス(Trance)とは?
グリエラが作成していた音楽のジャンルはトランス(Trance)と呼ばれるもの。トランスは、サイバーな音色やリズムの小気味いいリズムセクション、うねるようなメロディや恍惚(こうこつ)を感じさせる展開づくりが特徴的なジャンルです。
そのような特徴から、幻覚を見ているかのような状態、催眠にかかったかのような状態におちいる「トランス状態」からトランスと名付けられています。
「Tenshi」
【タイトル】Gouryella – Tenshi (Official Video)
グリエラの代表曲のひとつが「Tenshi」。日本語の「天使」から曲名に名付けられました。トランスらしい特徴を多く兼ね備えており、トランスがどういう音楽ジャンルなのかが分かりやすいと思います。
この曲のようなサイバーな音色が聞こえるトランスは、avexが「サイバートランス」という名称でプロモーションし日本でも大流行しました。
現在のティエストの曲にもトランス的な部分を見つけられることがあり、ティエストを聞くなら必ず知っておきたいジャンルです。
受賞歴
ティエストはその長いキャリアの中で数々の輝かしい賞を受賞してきました。
イギリスのDJ専門誌「DJ Magazine」において、2002年から3年連続で読者投票第一位の「世界でNo.1のDJ」に選出されています。さらにその後、2017年まで常にトップ5入りという驚異的な人気を誇り、2018年にもトップ10入りを果たしています。
「DJ Magazine」と並ぶ権威を持つダンスミュージックメディアの「Mixmag」においても、「歴史上のトップDJ」と表彰されています。ロックやポップミュージック方面で有力なアメリカのメディア「Rolling Stone」も、世界No.1DJにティエストを選出しています。
プロデューサーとしても数々の輝かしい功績を残しており、2007年に発表したアルバム「Elements of Life」は、音楽チャートなどを運営するビルボードによって「Billboard Top Electronic Albums」に選ばれ、2008年のグラミー賞にもノミネートされました。
EDM界の帝王と呼ばれる理由
ティエストは、彼と同じく「DJ Magazine」の「世界でNo.1のDJ」に選ばれたマーティン・ギャリックス(Martin Garrix)など、世界中のアーティストやDJから憧れを抱かれる大物アーティストです。
先述の輝かしい受賞歴を始め、ブレイク時から現在まで、常に第一線で活躍し続ける彼はまさに帝王、もしくは皇帝さながらです。
ティエスト(Tiësto)の最新曲
EDM界の中では少々ベテランなティエストですが、現役バリバリで新曲を発表しています。フレッシュかつ信頼の手応えがある、2019年現在の最新曲をご紹介します。
「God Is A Dancer」
【タイトル】Tiësto, Mabel – God Is A Dancer (Official Video)
先程ご紹介したグリエラのトランスとは、方向性が180度も違う今風のEDMで、少々ビックリしてしまうかもしれません。オシャレな美容室で流れていそうな耳心地のいい曲で、確かな実力を見せてくれます。
この曲はイギリスのシンガーソングライター、メイベル(Mabel)をフィーチャーした曲です。2019年1月に発表したシングル「Don’t Call Me Up」は、2019年のイギリス人女性アーティストとしてNo.1の売上を記録したことが記憶に新しいです。
「Ritual」
【タイトル】Tiësto, Jonas Blue & Rita Ora – Ritual (Official Video)
2019年6月にリリースされたこの曲は、イギリスのプロデューサー、ジョナス・ブルー(Jonas Blue)と共作し、ボーカルにはイギリスの人気歌手、リタ・オラ(Rita Ora)を迎えた一曲です。
ジョナス・ブルーは、トレイシー・チャップマン(Tracy Chapman)というアメリカの女性シンガーソングライターのヒット曲「Fast Car」を、トロピカル・ハウス風にリミックスしたシングルが大ヒットし、現在は日本でも大人気となったプロデューサーです。
リタ・オラ(Rita Ora)はEDM界でプロデューサー達から引っ張りだこの人気シンガーで、EDMを聞いていれば必ず一度は耳にする機会があります。
「Grapevine」
【タイトル】Tiësto – Grapevine (Official Video)
ノリの心地いい、踊れるナンバーではあるのですが、なんとなくティエストの狂気的な部分を感じさせられる不気味な曲です。2Dのアニメーションエフェクトやレトロな映像が時折挿入される、今風のユニークなミュージックビデオですが、より不気味さを強調させるような気がしてなりません。
ティエスト(Tiësto)の人気曲12選
現在もヒット曲を作り続けるティエストですが、長いキャリアの中でも様々な人気曲が生まれてきました。ティエストを聞くならまず抑えておきたい人気曲をご紹介します。
「Red Lights」
【タイトル】Tiësto – Red Lights (Official Video)
2019年11月現在でYoutubeの再生回数が1億5千万回を超える、ティエストの中でも特に人気の曲です。ドロップの開放感がとても気持ちのいい一曲です。ミュージックビデオでもそれを後押しするように、トラックに乗り込む瞬間や、ティエストがDJブースに現れプレイするタイミングなどは爽快感がたまりません。
※ドロップ : 一般的に曲のサビに当たる部分
「Wasted ft. Matthew Koma」
【タイトル】Tiësto – Wasted ft. Matthew Koma (Official Music Video)
アメリカのシンガー、マシュー・コーマ(Matthew Koma)をボーカルに迎えた「Wasted」。ドロップの音が太い重低音ベースが印象的で、さすがの音作りスキルだと感心します。
実はマシュー・コーマ、女性ではなく男性なのです。男性とは思えない美しい声で、ゼッド(Zedd)やアフロジャック(Afrojack)などの様々な人気DJたちから引っ張りだこの人気シンガーです。
「Take Me ft. Kyler England」
【タイトル】Tiësto – Take Me ft. Kyler England (Lyric Video)
アメリカの女性シンガー、カイラー・イングランド(Kyler England)がボーカルを務める一曲です。音色やメロディーが綺麗で、ポップミュージックとしても優秀な一曲ではないでしょうか。
「Light Years Away ft. DBX」
【タイトル】Tiësto – Light Years Away ft. DBX (Official Video)
アメリカのDJ、ダニエル・ベル(DANIEL BELL)、またの名を「DBX」とコラボした曲です。全体的に泣きメロで構成されていて、ドロップで一気にブチ上げる日本人好みと言えるEDMです。
「Summer Nights」
【タイトル】Tiësto – Summer Nights (Official Video) ft. John Legend
アメリカの人気歌手、ジョン・レジェンドをボーカルに迎えた一曲。R&Bやソウル方面で活躍する歌手で、セクシーな歌声には数多くのファンがいます。2019年にはアメリカの雑誌「People」が「2019年最もセクシーな男」に選出しています。
「Let’s Go」
【タイトル】Tiësto – Let’s Go (audio only) ft. Icona Pop
この曲は、スウェーデンで結成した2人組の女性歌手、アイコナ・ポップ(Icona Pop)にボーカルを託した曲です。初期のトランス的な音作りが垣間見える曲です。
「Elements of Life」
【タイトル】Tiesto – Elements of Life
ティエストのトランスの名曲、「Elements of Life」です。ベースの激しい音が印象に残りますが、さすがの感動的な曲の構成は素晴らしいの一言です。
「Olympic Flame」
【タイトル】Tiësto – Olympic Flame
ティエストがアテネオリンピックで演奏した曲の一つで、その名も「Olympic Flame」です。オリンピックでは初めてとなるDJをしたティエストですが、その時代にこれだけトランス全開の曲をプレイしたことは前衛的だったのではないでしょうか。
「Jackie Chan」
【タイトル】ft. Preme & Post Malone – Jackie Chan (Official Music Video)
カナダのDJ、ジェコ(Dzeko)と共作で、プリーム(Preme)とポスト・マローン(Post Malone)という2人のラッパーをプロデュースした曲です。ティエストのプロデューサーとしての高い実力をしっかりと確認することが出来る一曲で、ラップとキーボードの絡みがダンサブルです。
曲名のジャッキー・チェン(Jackie Chan)の通り、歌詞がユニークなのも特徴的です。実は歌詞の中に日本も登場していて、寿司を日本にオーダーしたそうです。
「On My Way ft. Bright Sparks」
【タイトル】Tiësto – On My Way ft. Bright Sparks (Official Video)
イギリスのDJデュオ、ブライト・スパーク(Bright Sparks)とコラボした曲です。楽曲の方はメロウなパーティーチューンとなっており、ノリノリで踊れます。
なんといっても注目してもらいたいのがミュージックビデオ。世界各国の有名Youtuberが参加しており、日本からはヒカキン(HIKAKIN)とセイキン(SEIKIN)が参加しています。楽しそうに参加していて、ヒカキンとセイキンが羨ましくなってくるビデオです
「WOW」
【タイトル】Tiësto – WOW (Official Video)
とてつもなく太いシンセの音作りが印象的で、思わず「WOW」と言いたくなるほどです。確固たる実力をひしひしと感じる一曲です。
「Silence (DJ Tiësto’s In Search Of Sunrise Remix)」
【タイトル】Silence (DJ Tiësto’s In Search Of Sunrise Remix)
ティエストがトランスムーブメントを牽引していた時代の代表的な一曲。長めの曲時間ですが、トランス特有の恍惚感が溢れ出して止まらない最高の名曲です。11分を費やす価値がありますので是非聞いていただきたいです。
ティエスト(Tiësto)のコラボ曲14選
ティエストは本当にたくさんのDJとコラボをしています。すでに著名なDJから将来有望な若手まで、校友の幅が広いのもティエストの特徴です。
「Split (Only U)」
【タイトル】Tiësto & The Chainsmokers – Split (Only U) [Official Music Video]
アメリカのDJデュオ、ザ・チェインスモーカーズ(The Chainsmokers)とコラボした曲です。チェインスモーカーズは超人気DJで、今後EDMを聞く機会があるなら必ず耳にするアーティストです。
「Written In Reverse」
【タイトル】Tiësto, Hardwell – Written In Reverse (audio only) ft. Matthew Koma
アメリカの超人気DJ、ハードウェル(Hardwell)とコラボした一曲。ボーカルには先述した美声ボーカルのマシュー・コーマを迎えています。
「Colors」
【タイトル】Hardwell & Tiësto feat. Andreas Moe – Colors (OUT NOW!) #UnitedWeAre
同じくハードウェルとのコラボ曲。スウェーデン出身の歌手、アンドレアス・モエ(Andreas Moe)の力強いボーカルが特徴的です。
「Tiësto & KSHMR feat. Vassy – Secrets (Official Music Video)」
【タイトル】Martin Garrix & Tiësto – The Only Way Is Up (Official Music Video)
こちらもハードウェルとのコラボ曲。同じオランダ出身ともあって、プライベートでも非常に中が良いそうです。
「The Feeling」
【タイトル】Tiësto – The Feeling (audio only) ft. Ou Est Le Swimming Pool
イギリスのロックバンド、ウ・エ・ル・スイミングプール(Ou Est Le Swimming Pool)とコラボした、爽快な一曲です。
「Harder」
【タイトル】Tiësto & KSHMR ft. Talay Riley – Harder (Official Audio)
アメリカ出身DJ、カシミア(KSHMR)とコラボした曲です。ボーカルにはイギリスのシンガー、タレイ・ライリー(Talay Riley)が参加しています。落ち着くサウンドでありながら未来的な感触もあります。
「Secrets」
【タイトル】Tiësto & KSHMR feat. Vassy – Secrets (Official Music Video)
同じくカシミアとのコラボ曲。シンガーはオーストラリアのバッシー(Vassy)で、この楽曲にかかせない独特の声色です。ティエストの曲の中でも非常に人気のある曲です。
「Paradise」
【タイトル】Tiësto & Dyro – Paradise (Official Music Video)
同郷オランダ出身のDJ、ダイロ(Dyro)とのコラボ曲です。トランスからの流れを引き継いだ美しい曲です。
「Show Me」
【タイトル】Tiësto & DallasK – Show Me (Official Music Video)
ロサンゼルス出身のDJ、ダラス・ケイ(DallasK)とコラボした一曲。ドロップのベースが太く迫力のある曲に仕上がっています。
「The Right Song」
【タイトル】Tiësto, Oliver Heldens – The Right Song (official video) ft. Natalie La Rose
同じオランダ出身のDJ、オリヴァー・ヘルデンス(Oliver Heldens)とのコラボ曲。ボーカルも同じくオランダ人シンガー、ナタリー・ラ・ローズ(Natalie La Rose)が歌い上げています。
「Halfway There feat. Lena Leon」
【タイトル】Tiësto & Dzeko – Halfway There feat. Lena Leon (Official Audio)
先ほどもご紹介したジェコとのコラボ曲。中盤から登場するレナ・レオン(Lena Leon)のボーカルが、この曲を更にエモーショナルに仕上げています。
「Break the House Down」
【タイトル】Tiësto & MOTi – Break the House Down
オランダのDJ、モーティ(MOTi)とのコラボ曲です。モーティはティエストのお気に入りDJで、コラボにおいても相性バツグンです。
「Walhalla」
【タイトル】Gouryella – Walhalla (Official Video)
ティエストと同じくオランダ出身のアーティスト、フェリー・コーステン(Ferry Corsten)とのユニット、グリエラ(Gouryella)によるトランス。トランスの恍惚感を存分に味わせてくれる彼らの腕は、匠の技と言っても過言ではないでしょう。
「Gouryella」
【タイトル】Gouryella – Gouryella (Official Video)
グリエラによる、「Gouryella」の名を冠した一曲です。この曲は、民族的であったり宗教的であったりする音色や、楽曲のつくりが特徴である、ゴア・トランス(Goa Trance)の影響を強く感じさせられます。
ティエスト(Tiësto)の今後の来日予定
2019年5月に来日して以来、ティエストの来日は2019年11月現在未定です。今後の動向にチェックしてみてください。ティエストの公式ツアー日程はこちら
まとめ
EDM界の皇帝ティエスト(Tiësto)についてご紹介しました。
美しいトランスから始まり、踊れるEDMまで幅広くカバーするティエストの魅力を感じ取ってもらえたでしょうか。これからも活躍し続けるティエストは要チェックEDMアーティストです。